松本青年会議所とは?|松本青年会議所 長野県松本市まちづくりボランティア

2011年度 理事長所信

はじめに


社団法人 松本青年会議所
第52代理事長 中田 忠章
今まで自分は何不自由のない生活を送り、仕事は厳しいながらも幸せな生活を当たり前のように送って来た。2006年、私は社団法人松本青年会議所(松本JC)へ入会し、この地域(まち)を愛しより良くしようと時間を忘れ熱い議論を交わしている自分と同世代の仲間たちに出会うとともに、その熱い姿に最初は違和感を覚えながらも不思議に感じた。なぜこんなにも地域(まち)に対し熱く真剣になれるのかと。しかしただその仲間と共に青年会議所(JC)運動を続けていくことで、その違和感と不思議な思いはいつしか消え去り、自分もこの地域(まち)を愛し、次世代を担う子どもたちのためにも「明るい豊かな社会の実現」のためにJC運動をせねばならないという責任を感じるようになった。今まで送ってくることのできた幸せな生活は、この地域(まち)を愛し自分たちの描く理想に向かって運動している人たちがいるからだと、またその一端をJCが担っており、そしてそれがJC三信条の大きな柱である「社会への奉仕」なんだと気づいた。 JCへの入会の動機は様々です。またJCを理解しJC運動を理解して活動するに行きつくまでの時間も様々です。しかしJCメンバーは全員、最終的に自分たちの住むこの地域(まち)を愛し、そしてその地域(まち)を「明るい豊かな社会の実現」に向けてJC運動をしていきます。その上で基本となるのはお互いを思いやり、尊重し、自分の確固たる信念を持ちながらもメンバーや市民の声を素直に聞き入れることです。お互いが尊重しあえる為には自己の責任と義務を全うするべく、お互いを厳しく律しそして妥協を許さず議論を重ね分かり合えねばなりません。そのためには確固たる信念を持ち熱き情熱をそこへ注ぐ、これが可能となれば素晴らしいJC運動になるでしょう。今こそ飛躍の時!共に理想の実現に向けて挑戦し続けよう。

松本から全国の城下町へ、そして地域主権型社会の実現に向けて

1982年松本において記念すべき第1回が開催された全国城下町シンポジウムが2011年に第30回を迎え、この松本の地で再び開催されます。「みなおそう城下町、創り上げよう昭和の遺産」をテーマに開催された第1回大会の想いを継承し、第30回大会はテーマ「城下町復権」サブテーマ「地域と時代を牽引する城下町、今変革の第一歩」のもと、地方都市における魅力あるまちづくり運動への変革の起爆剤となる大会を開催いたします。この大会では松本の素晴らしい地域資産を体感していただくとともに全国へその良さを発信できるよい機会でもあり、その素晴らしい地域資産の魅力を発信いたします。松本JCは時代の先駆者として当大会を開催するとともに、城下町の市民である我々からまず変革を起こし、市民へ浸透させ次世代に繋げていく大会とします。 また当大会では、古の時代から地方の要として存在してきた歴史的な魅力を持つ城下町が、これからの未来において地域主権型社会をリードする存在に成長すべきであるという指針も打ち出していきます。2009年に政権交代が起こり、2010年参議院選挙において「ねじれ国会」が引き起こされ、同年行われた長野県知事選挙においても長野県版事業仕訳を政策に掲げる県政に変わりました。これは国民・県民の選択の結果であり、現在の混迷した国政、新たな県政を考える上で今まで以上に地域主権型社会の実現に向けた運動を加速して行く必要があると考えます。また2011年は統一地方選挙が行われ、その翌年には松本市長選挙が行われます。この機会を我々市民の声を政治に活かすことのできる貴重な機会と捉え、松本JCとしての政策を発信し、市民へそして行政へ提言して参ります。

今一度、「命の大切さ・尊さ・儚さ」を伝えていこう

現在の子どもたちを取り巻く環境は、目を覆いたくなるような事件ばかりがニュースとなり、必ずしも幸せなものであるとはいえません。しかし責任世代である我々は、次世代を担う子どもたちに希望の持てる未来を示し残していかねばなりません。そのためにも今一度「命の大切さ・尊さ・儚さ」を子どもたち、そしてその親ばかりでなくすべての大人たちへ、伝えていく必要があります。松本JCは2009年、財団法人地球環境戦略研究機関国際生態学センター長の宮脇昭先生より、「植樹」という活動を通じて「命の大切さ・尊さ・儚さ」を教えて頂き、「松本JCエコロプラン」として市民へそして子どもたちへメッセージを伝えて参りました。今後もこの教えを後世へ伝承すべく市民へ訴えかけていく必要があると考えます。この運動を松本へ更に深く浸透させるとともに、全国城下町シンポジウムがこの松本にて開催され、また台南女國際青年商會と交流20周年を迎えるこの機会を活かし、全国へそして世界へと伝播させていきます。

公益法人制度改革を追い風に

2006年に国会にて法案成立された、公益法人制度改革に関する3法案は、民法制定以来100年以上続いた公益法人制度の制定後初めての大改革となります。これは現在の公益法人である社団法人・財団法人を運動の内容により、より公益な運動を行っているかどうかで2つの法人格に分け、2013年11月までに公益社団法人(財団法人)、一般社団法人(財団法人)、もしくは解散し任意団体となるかの3つの選択肢の中から選択し申請しなければならないというものです。そこで松本JCでは2009年新年総会にて現在の社団法人格を公益社団法人格へ移行することが決議され、2010年県への公益社団法人移行の申請が行われることになりました。その移行申請が認定される見込みである2011年を、今一度自分たちのJC運動を見つめ直す機会と捉え、メンバーそれぞれの「明るい豊かな社会の実現」への運動に対する思いをさらに熱いものにしていかなければなりません。今回の制度改革があるからこのような手続きを行うわけであり、そもそも松本JCの過去に行ってきた事業はすべてが松本の「明るい豊かな社会の実現」をすべく行われてきたことに間違いなく、公益社団法人へ移行後も更なるJC運動をするべく自由闊達な事業活動を行って参ります。公益社団法人だからこそ今までより行政へ市民へ訴えかける運動が出来るはずであり、本年は将来のJC運動を更に深化させる可能性を探り発信していきます。

「明るい豊かな社会の実現」を加速させる為に

2011年は第30回全国城下町シンポジウム松本大会が開催され、今まで以上に市民に対して松本JCを強くアピールできる年です。この絶好の機会を活かして会員拡大を行っていきます。会員拡大は我々の行っている運動を一人でも多くのメンバーが一人でも多くの市民へ伝える事で加速度的に広がっていきます。少人数でも質の高い運動をすればそれも効果的ではありますが、当然ながら質の高い運動を一人でもより多くのメンバーが行う方がより効果的であることは明白です。最後に会員拡大は一言で言うと勧誘であり、仕事におきかえれば営業活動です。そのことを忘れてしまっては会員拡大の達成は成し得ません。また営業活動であるだけに目標数値、その目標に対する戦略・戦術をしっかり掲げ会員拡大を行います。これこそが未来へ飛躍する為の礎となります。

台南女國際青年商會姉妹交流20周年を契機に

JCは世界の恒久平和と国際社会の発展を望み、お互いの文化を理解しあいながら、国境を超えた国際交流を行っております。現在の長引く不況の中、従来の欧米主導型の国際社会はアジア主導型へシフトする潮流となっております。そのアジアにおいても重要なポジションを務めてきた日本が今後いかにリーダーシップを発揮していくかが国際的にも日本にとっても重要な課題となっております。松本JCは、1991年、台南女國際青年商會との交流が始まり、1992年の国際青年会議所アジア太平洋会議(ASPAC)において執り行われた姉妹締結調印式にて姉妹JCとして締結されました。現在に至るまでメンバー同士の交流はもとより、市民交流や相互の都市での市民との協働事業などによる交流を行って参りました。この国際交流によって培われる相互理解、これが国際社会における日本、そして未来の松本の国際化に大きく寄与することとなります。2011年、姉妹交流を始めてから節目となる20年目を迎えるにあたり、改めてお互いの交流を更に発展的なものへと見つめ直すとともに、JCの三信条の一つである「世界との友情」を更に深めて参ります。

空の玄関を擁する松本、そして地域経済活性化へ

2009年、信州まつもと空港から定期旅客便を撤退するという株式会社日本航空インターナショナル(JAL)からの発表により、定期便の飛ばない空港になるのではという心配が現実味を帯び、信州まつもと空港はかつてない危機を迎えました。しかし株式会社フジドリームエアラインズ(FDA)がJALから札幌便と福岡便を継承することが決まり、かろうじて長野県のそして松本の空の玄関である信州まつもと空港はこの危機を脱しました。しかし信州まつもと空港自体に何か改善があったわけではなく、潜在的な諸問題が取り除かれたわけではありません。FDAによる札幌・福岡便の毎日運行を、また新たに路線が開設された静岡便を今後も存続させるためにも、この空港を取り巻く諸問題に取り組み、市民へそして行政へ発信していかなければなりません。 2009年に作製した「新松本・安曇野 宝かるた」では食文化・音楽・工芸・美術などの文化資源のほかに北アルプスをはじめとする豊かな自然資源も紹介されています。我々の住む地域(まち)には世界に誇れる素晴らしい地域資源が多数存在しているのです。この貴重な地域(まち)の宝を有効な観光資源として活かすために、我々はかるたに描かれた松本安曇野の宝一つ一つを再確認し発信していくとともに、魅力ある観光ルートを模索していきます。それがひいては松本へのインバウンドの促進につながり空港の活性化へもつながっていくと考えます。松本JCでは過去に観光ビジネスの一つとして北アルプスを舞台にした自転車レース「ツール・ド・環北アルプス」の実現やサッカー合宿の誘致のようなスポーツを絡めた地域経済活性化の検証をしてきましたが、これらのような観光を中心とした地域経済活性化の実現に向けた運動も模索して参ります。

結びに

誰しも費やす時間は同じであり、それをどのように活用するかで未来が変わってきます。しかし、各自明確なビジョンを持つか持たないかでその同じ時間の使い方は変わってきます。我々は縁あってJCという団体に出会い、この貴重な20代30代の時間をJCで過ごす機会を得ました。どうせやるなら各自「明るい豊かな社会の実現」に向けてのビジョンを持ち、とことんそのビジョンに向かって仲間と共にJC運動をして行きましょう。JCの三信条の一つ「個人の修練」にもある通り、必ずやその運動は自らの修練となり自分の血となり肉となり、JC運動を行う上で基礎となっている自分の仕事に帰ってきます。仕事を省みずJC運動にのめりこめと言っているわけではありません。やるからにはこの愛すべき地域(まち)のためにとことん運動していこうということであり、それがJC三信条の一つ「社会への奉仕」です。この所信はその運動を行う為のステージを用意したものです。この貴重な時間を実のあるものにする為に共に前を向いて積極的に運動を行っていきましょう。


委員会構成

城下町地域力推進室
全城シン運営委員会
第30回全国城下町シンポジウム松本大会の運営
市民力サポート推進委員会
公開討論会や検証大会などを活用した地域主権型社会の推進
豊かな人間力育成室
命の心育み委員会
「植樹」を通して得られる命の大切さ・尊さ・儚さの心の育成及び外部への発信
総務組織力向上委員会
公益社団法人をにらんだ組織運営
公益社団法人格の下での自由闊達な運動の推進
広域的交流拡大室
国際交流広報発信委員会
台南女國際青年商會交流20周年を契機に発展的な民間レベルの国際交流の検証
メディアへの有効な広報の構築
未来のJAYCEE育成委員会
未来のJAYCEEの勧誘
新入会員の育成
JC運動を広く発信する会員拡大
出向者連絡特別会議
公益社団法人日本青年会議所・北陸信越協議会・長野ブロック協議会への出向者による、社団法人松本青年会議所との情報循環および協働運動の推進
地域(まち)の力創造室
地域(まち)の未来創造委員会
信州まつもと空港活性化の検証を行うと共に地域(まち)の未来への政策提言を行う
地域(まち)の魅力発信委員会
新松本・安曇野宝かるたを利用した地域資源の発掘
地域資源の有効活用による地域経済活性化の推進